痔にはいくつかの種類があります。
大きくわけて「いぼ痔」「切れ痔」「痔ろう」です。
3人に1人の成人が痔で悩んでいるとされています。
しかし、恥ずかしいという気持ちから医療機関を受診することもできず、症状を悪化させてしまう人が多いのです。
また、治療方法なども不安に思っている人がいるようです。
痔ができる肛門の構造について説明します。
肛門は、直腸とつながっていて奥行き3cmほどです。
その真ん中あたりに、皮膚と粘膜の境「歯状線」があります。
この歯状線を境にして直腸よりは、痛みなどほとんど感じることがない粘膜の部分です。
逆に歯状線から肛門出口付近の部分は皮膚のため、痛みを感じる部分です。
また、肛門は締めつける働きをする「括約筋」と軟らかく弾力性に優れている「肛門クッション」が取り囲んでいます。
排便をする際に、必要以上に力を入れたりすると、肛門クッションの血流が悪くなります。
この肛門クッションがうっ血することでだんだんと膨らんで、いぼ痔となります。
いぼ痔の主な症状は、次のようなものです。
■排便時の出血です。
便が硬いといぼ痔に触れて、出血します。
この際の痛みはありません。
出血も鮮やかな血の色で、ポタポタとたれたり、ほとばしるように出血し、便器が赤色になることもあります。
もしくは、トイレットペーパーに少量だけ付くくらいの場合もあります。
■肛門の外へいぼが出る症状です。
いぼ痔の大きさが大きくなると肛門の外へ出てしまうことがあります。
この場合、始めのうちは、排便時だけ出てしまうようになりますが、自然にいぼは肛門の中へ戻ります。
しかし、次第に指で押したりしないと中へ戻らないようになります。
ひどくなると、常に肛門の外へいぼが出ている、歩行時に出るなどの症状になります。
■肛門周辺にいぼがあります。
長時間座っていた、ひどく息み続けてしまったなどのときに、肛門周辺がうっ血を起こして血豆ができます。
そして、その血豆が腫れてくることがあります。
この症状の場合、ひどい痛みを伴います。
肛門からの出血はいぼ痔だけでなく、他の疾患の可能性もあるので医療機関を受診することをおすすめします。
恥ずかしいという気持ちから医療機関を受診することもできず、症状を悪化させてしまう人が多いようです。
しかし、肛門あたりの違和感、いぼ痔の症状を自覚したら、肛門科を受診することをおすすめします。
まず、肛門科を受診したら、医師による問診が行われます。
医師による問診では、肛門のかゆみや痛みの有無、出血の程度、いぼの程度などを詳しく医師が問診していきます。
次に、肛門の診察(2分から3分程度)です。
このときは、医師の指で肛門周辺を触診します。
その後、肛門鏡を使って肛門の中を調べて、いぼなどの症状を調べます。
肛門の診察をするときは、横向きに寝た姿勢で行います。
男性の診察の場合は、仰向けになって診察をすることもあります。
基本的に男性でも女性でもどちらでも、ズボンや下着を少し下ろす程度で診察することは可能です。
ズボンや下着全てを脱ぐ必要はありません。
さらに、医療機関によっては、腰あたりにタオルをかけるなどしてくれることもあります。
いぼ痔の主な治療方法としては、「薬物療法」と「手術療法」になります。
■薬物療法
用いる薬は、坐薬と軟膏があります。
いぼ痔による腫れや痛み、出血を抑える薬を使い、症状が治るまで継続して使用します。
そのため、治療期間はそれぞれの症状によっても違います。
坐薬・・・肛門の奥へと挿入するタイプの薬で、肛門の内部からいぼ痔へと浸透させる薬です。
軟膏・・・軟膏を肛門の中に注入するタイプの薬で、直接外側いぼ痔へ塗ることもできる薬です。
■手術療法
いぼ痔が肛門から外へ出てしまうようになってしまった場合に、手術を行います。
手術によって、いぼ痔を括約筋からそぐように切除します。
その際に、いぼ痔に通う血管は出血しないように縛ってからいぼ痔を切除します。
傷口を縫合する糸は、のちに吸収されるものなので抜糸の必要はありません。
また、手術をしたからといって肛門の締まりに影響を及ぶことはありません。
最近のいぼ痔の手術は、比較的に痛みも少なく、傷口の治りも早いため入院期間も早ければ3日ほどです。
長く入院したとしても一週間程度のようです。
上記の2つの治療法以外に「ゴム輪結紮」と「注射療法」という方法もあります。
■ゴム輪結紮
いぼ痔の根元をゴム輪で縛って、いぼ痔を壊死させて脱落させる方法です。
■注射療法
いぼ痔に直接硬化剤を注射していぼ痔を小さくします。
この治療法の場合は、手術療法同様に入院が必要で、2日から3日ほど入院して行われます。